PBが好調のセブン-イレブンとメーカーのジレンマ

最高益をまた更新 セブンイレブンの本

セブン&アイ・ホールディングスの13年3~5月期連結決算が営業利益・最終利益とも最高益を更新しました。今や、競合となる小売店だけでなく、メーカーもコンビニを意識した戦略が求められる時代になってきています。勢いにのるセブンイレブンの戦略本を紹介します。

セブン&アイ・ホールディングスは、2013年3~5月期連結決算の最終利益が、同時期の最高益を更新し、さらに6年ぶりに過去最高益を上回ったことを発表しました。利益の柱となったのは、営業利益が5.5%増の531億円となったセブン-イレブンです。新規出店が同時期に475店と好調だったこと、PB(プライベートブランド)が売上好調だったことが大きな要因です。

質のよい商品を割安で提供できるPBは収益性も高く、大手コンビニチェーン各社は自社PBブランドの開発とラインナップの充実に力を入れています。セブンイレブンでは、従来のPBであるセブンプレミアムシリーズに加え、4月からPBにセブンゴールドシリーズを投入。「金の~」というネーミングで大手メーカーと共同開発した高級志向の商品を展開しています。 セブンゴールドシリーズは、ポジショニングに気を遣い、大手メーカーのNB(ナショナルブランド)と棲み分けできるように商品開発しているそうです。しかし、限られたコンビニの棚はまさに超激戦区。メーカーが新商品をコンビニに並べようとしたらPBブランドに対して明確な優位性を打ち出さなければなりません。

広い販売ネットワークと合理化された流通システムを使い、低価格で攻めてくるPBはメーカーにとっても脅威ですが、酒類や冷凍食品など、PBの普及によって市場全体が拡大することに期待する声もあるようです。これほど多くのコンビニが立ち並び、生活の中に入り込んでいる現代は、メーカーはただ商品を開発すればいいだけでなく、コンビニを意識した商品企画や戦略が求められる時代といえるでしょう。

まずは売上業界1位のセブン-イレブンから、コンビニ戦略のヒントを学び取ってみてはいかがでしょうか。


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