「少しバカ」だから「愛される」すてきな会社

「消臭力」などテレビCMでもおなじみエステーの本

ネガティブなイメージもつきまとうワンマン経営ですが、エステーの鈴木社長は、80歳近いながらも持ち前のリーダーシップとアイデア力で会社を引っ張り、強いリーダー像のお手本として注目を集めています。そんな鈴木氏が率いるエステーの本をご紹介します。

「消臭力」「脱臭炭」といった芳香剤・消臭剤のヒット商品を生み出しているエステー。業界2位のシェアを誇り、個性的な商品やCMが人気の同社ですが、最近、もうひとつ注目を集めていることがあります。

それは、もうすぐ80歳を迎える鈴木喬会長です(2012年までは社長も兼任)。ユーモアを交えながらトップのなすべき仕事とその心得について語った「社長は少しバカがいい。―乱世を生き抜くリーダーの鉄則」は、そのアイデア力と強いリーダーシップが多くのビジネスマンに感銘を与え、ベストセラーとなりました。

鈴木氏の経営スタイルは、一言で言えば、ワンマン経営です。商品開発は社長からトップダウン式に指示が下され、「できなかったら君は要らない」とシビアに部下を突き放すこともあるそうです。著書の中でも、社長は暴走するくらいの権力を持っていないといけない、と述べています。

しかし、ワンマン経営で成果と部下がついてくるのは、的確な判断を行っているからこそ。それは人事も例外ではありません。外資系に転職が決まっていた鹿毛康司氏をヘッドハンティングし、宣伝部長としてエステーに入社させたのは、鈴木氏の直感だったといいます。鹿毛氏は、震災の自粛ムードの中で敢えて消臭力のCMを日本へのエールとして大きく打ち、ACC CM Festival 金賞を取るほどの話題を振り撒きました。なお、彼が本を出したことが、鈴木氏が筆を取ることになったきっかけになっているそうです。

興味を持たれた方は、ぜひ彼ら自身の言葉で書かれた本で、エステーという会社とそのリーダー像を感じ取ってみてください。


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