一杯のコーヒーに魅せられて

コーヒーショップチェーン「スタバ」にまつわる3冊

現在日本で985店舗(2013年10月現在)を展開するコーヒーショップチェーン、スターバックスコーヒー。スタバのミッションを要約すれば、一杯のコーヒーを通して人々に活力を与えることです。そのミッションがどう生まれてきたのか、スタバにまつわる本を紹介します。

スターバックスコーヒーは当初、コーヒー焙煎の会社にすぎませんでした。現在の会長兼社長兼最高経営責任者ハワード・シュルツにより、エスプレッソを主体としたドリンク類の販売をスタートしたことから、これまでの歴史が作られ始めます。そのシュルツ氏により語られるスタバ成長と成功の記録が『スターバックス成功物語』。わずか5店の小さな会社が、社員本位の経営によって62か国、20,891店舗を展開する企業に成長するまでの過程を描いたものです。その後、スタバは拡大路線からきた店舗等の品質の低下と米国のリーマンショックから来る大不況により、ピンチに陥り、シュルツ氏は社長として復活します。そして、シュルツ氏が会社に戻って再生させる過程を描く続編『スターバックス再生物語 つながりを育む経営』もあります。

そして、日本でスタバに行くと、店員の接客サービスの高さに驚くことはないでしょうか。『スターバックスの感動サービスの秘密』は、スタバの人材教育システムを書いた一冊です。接客マニュアルが存在しないが故に、ホスピタリティが高くなるという「スタバ流おもてなし術」の秘密を存分に知ることができます

日本でスタバがここまで成功した理由は、 『ミッション 元スターバックスCEOが教える働く理由』に記されています。著者は元スターバックスジャパンCEOとして、「100年後も光り輝くブランド」を掲げ、業績を右肩上がりに成長させ、2010年には過去最高売上を達成しました。その裏には、スターバックスは単にコーヒーを売っているのではなく、「人々の心を豊かで活力あるものにするために―ひとりのお客様、一杯のコーヒー、そしてひとつのコミュニティーから」というミッションがお店のパートナー(店員)全員に徹底されているからだとしています。お腹を満たすのではなく、心を満たす、このミッションがあるからこそ、店内には心地よい空気感が生まれ、スターバックスらしさとして認知されるのです。

たかがコーヒー、されどコーヒー。スターバックスで飲む一杯のコーヒーの裏には、このようなミッションが隠されているのです。


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