2013年10月7日、ウェブ業界に激震が走りました。ヤフー株式会社が運営するオンラインショッピングモール、Yahoo!ショッピングが、今月分の請求からストア出品料と販売ロイヤリティを無料化することを発表したのです。今までは、Yahoo!ショッピングでお店を出すには、初期費用に加え月額システム料が20,790円から、さらに最大4.5%の売上ロイヤリティを支払う必要がありました。それを完全に無料化するという思い切った改革です。
孫氏が踏み出した革命の第一歩
基調講演ではヤフージャパンの取締役会長でもある孫正義氏が登壇し、「今までのヤフーは間違っていた」と前置き、広告料で利益を上げるフリーミアムのモデルに作り変えていくことを宣言しました。
講演で強調された「情報革命で人々を幸せにする」ことは、2010年に刊行された『事を成す 孫正義の30年戦略』の、孫氏へのロングインタビューの中でも熱く語られています。今回のEC革命は、有言実行に向けて踏み出した第一歩といえるかもしれません。この本では、本人とその恩師たちによって、孫氏のビジョンや原点が説き明かされています。今後のヤフーの動向が気になる方は要チェックです。
価格競争したくなければ、オンリーワンになれ
EC事業者はコスト低下に喜んでばかりもいられません。ネット通販への参入障壁が大きく下がったことで、新規事業者が大幅に増え、価格競争が激化することが予想されています。現に、発表後わずか1日で、Yahoo!ショッピングには1万件を超える新規出店申し込みがあったそうです。
安値競争に疲弊したくないとき、読んでおきたい本が『なぜあなたのECサイトは価格で勝負するのか?』です。ウェブコンサルタントで大のECマニアという著者の尼口氏が「唯一化」、つまり通販におけるオンリーワンになるための豊富なヒントを、海外の先進事例をもとに紹介しています。発想のヒントやスタートアップについても学べますので、通販サイトに直接携わっていない方にもオススメです。
今回のニュースは、EC業界だけでなく、ウェブ業界、ひいては社会全体にも大きな影響を与える可能性を秘めています。一消費者としても、Yahoo!ショッピングからはじまる情報革命から目が離せません。