社会をよりよくするためにビジネスができること

ソーシャルデザインを知るための3冊

東日本大震災以後の日本で、社会をよりよくしたいという機運の高まりと共に注目されるようになった「ソーシャルデザイン」は、社会的(ソーシャル)な課題を解決するために、「気づき」や「疑問」をもってアイデアや仕組みを作る(デザイン)する活動を指します。ソーシャルデザインというフィールドに、ビジネスはどうかかわることができるのでしょうか?

ソーシャルデザイン

まず、ソーシャルデザインのとっかかりを掴みたいのなら、単語がそのままタイトルになった『ソーシャルデザイン』をおすすめします。著者のグリーンズが運営しているウェブマガジン「greenz.jp」では、“共感”を生むグッドアイデアこそ、人を前向きにし、社会を動かす力があるという信念のもと、社会を変えたさまざまなアイデアを世界中から集めて紹介しています。

本書は、それらのアイデアをコンパクトに紹介したものです。どのアイデアも、身近なことを題材にしているので、コミュニティ参加や社会貢献に興味がある人にとっても役立つものになるでしょう。日本のグッドアイデア中心にまとめた第2弾『日本をソーシャルデザインする 』もあります。

希望をつくる仕事 ソーシャルデザイン

ソーシャルデザインという言葉が持つ意味を掴んだなら、次はビジネスとして取り組むことを考えてみましょう。『希望をつくる仕事 ソーシャルデザイン』は、ソーシャルデザインを用いたプロジェクトを「希望とつくる仕事」とし、具体的な取り組み方法を解説したものです。アイデアの発想方法から、発想パターンと具体例を関連付けた35の事例がわかりやすくまとめられています。

また、付録の「ソーシャル・イシュー・ヒントマップ」では、自分を中心とした社会問題のサイズ(学校、地域、世界など)と領域(資源、人権、教育など)の見取り図に、具体的な課題をマッピングしています。社会の課題と、考えられる事象が一枚のマップにまとめられているので、これをもとに自分の関心領域と社会の課題が重なっている部分を探すことができるでしょう。

ソーシャルデザイン実践ガイド

そして、ソーシャルデザインの具体的なステップをわかりやすく説いたものが『ソーシャルデザイン実践ガイド』です。本書において、ソーシャルデザインとは、「森の中に道をつくる」活動であり、社会課題は、鬱蒼とした森のようなものであると説明しています。足を踏み入れると出口が見えず、とらえどころがなく、道に迷うことも多いものですが、ソーシャルデザインでは、そんな森に一本の道をつくる活動だとしています。そして、ソーシャルデザインのステップを、7 つの行程に分けて、その方法論までをわかりやすく紹介しています。また、ソーシャルデザインの実践例についても豊富に掲載しています。

最後の2冊は、どちらもビジネススキルを磨くのにも使えそうだと思いました。前者はアイデア発想法のエクササイズによさそうですし、後者は問題解決の教科書としても使えそうです。


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