もし、あなたがはじめて課長になったら。

中間管理職を知るための3冊

最近は欧米式の組織論をベースとしたマネジメントやリーダーシップについての書籍の人気が高くなり、日本企業独自の役職とも言える中間管理職について語られる機会が減ったように感じます。とはいえ、マネージャーとプレイヤーを兼ね備える必要があることも多い「課長」は今でも日本企業では重要なポジションです。「課長」にフォーカスをあてた本を紹介します。

まずは中間管理職入門書とも呼びたいのが『はじめての課長の教科書』です。本書では、中間管理職の中でも「課長の仕事」は、他の中間管理職の仕事よりも難しく、かつ重要であり、その理由として、課長は組織の「情報」と「人」を活性化するキーとなるポジションだからとされています。「課長の仕事は、課長になってからやればいいのではなく、課長の仕事ができる人材でない限り、課長に昇進することはできない」という一節に、思わず同感してしまいました。現在、課長として活躍されている方、課長になったばかりの方はもちろん、いつか課長になりたいと考えている方や上司である課長の思考回路を知りたい方におすすめしたい1冊です。

『そうか、君は課長になったのか』は、東レ時代に家族の病気などがありつつも同期トップで取締役となった佐々木常男氏の課長時代を書いたものです。試行錯誤を繰り返しながら「上司力」とマネジメント・スキルを磨き上げたその方法を、私たちに向けて37通の手紙という形で語りかけます。課長の「心得」と「仕事術」の真髄はもちろん、大小さまざまなスキルやノウハウを紹介しながら、その背後にある「志」が透けて見えるような心のこもった内容です。課長時代に苦労した佐々木氏だからこそ書ける、「悩める課長」にぜひ手にとってもらいたい1冊です。

最後は純粋には課長のための本ではありませんが、「課長」というキーワードから興味深い1冊を紹介します。大ヒットコミック「島耕作」シリーズの課長時代が検定試験になり、その公式テキスト『課長 島耕作 検定問題集』が発売されました。マンガの中の設定で、島耕作は現在会長まで上り詰めていますが、島耕作の課長時代の名場面や台詞、ロマンスなどが、一問一答形式の問題の中に盛り込まれています。マンガとは言えども、若手ビジネスマンにとって、島耕作の課長時代の働き方・生き方から学ぶことも多いのではないかと思える内容です。


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