今問われる「考える力」を身につけるのに必要なこと

ロジカル・シンキングを鍛えるための3冊

問題は「考えて」解決するものなのでしょうか? それとも、「悩んで」解決するものなのでしょうか?自分の頭で考える大切さを目にする機会も増えていますが、その力はどう鍛えればよいのでしょうか。思考力を鍛えるために参考となる3冊を紹介します。

ロジカル・シンキングの古典の前に読む入門編

いわゆるロジカル・シンキングには、バーバラ・ミントの『考える技術・書く技術』(ダイヤモンド社刊)がありますが、名著とされる一方で、内容が難しく理解に時間がかかるという声も多くあります。同書の翻訳者が、入門書として書き下ろしたのが『入門 考える技術・書く技術』です。日本人が陥りがちなわかりにくい文章を添削することで、読み手の視点に立って的を射た論理的な文章の書き方を示しています。論理的な文章の書き方を中心に解説した内容ですが、その説明には図版がふんだんに使われているので、誰にでも理解しやすい体裁です。

物理学者の思考術を知る

「考えるプロ」の考え方を知るという意味でおすすめなのが『東大物理学者が教える「考える力」の鍛え方』です。著者は東京大学で教鞭をとる、論理物理学者です。考える力を身につけるには、「問題を見つける力」「解く力」「諦めない人間力」の3つの力を鍛えることが必要であり、、考える力は訓練で誰にでも身につくとしています。独創的なアイデアを生み出す思考のトレーニング法を参考にしてみてください。

「考え方のツボ」をメソッド化

自分の意見を作るのにも「考える力」は必要です。『世界のエリートが学んできた 「自分で考える力」の授業』では、考えるにあたって「すぐに使えるコツ」を紹介しています。これらのコツは、米・ハーバード大学で提唱されているものやアメリカの高校で教えている「考える」授業のエッセンスを凝縮したもの。考えるにあたってちょっとしたコツを身につけることで、より鋭く、説得力のある意見を持つことができるようになるでしょう。

問題を解決するときに、よく混同されて使われるのが「悩む」と「考える」です。この2つの言葉の間には、決定的な違いがあります。「悩む」は物事をより複雑化する行為であり、「考える」は物事をよりシンプルにする行為なのです。この2つの言葉の違いを知ると、「考える力」を身につける目的もおのずと見えてくるのではないでしょうか。


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