このプレゼン大会では、事前投票によって選ばれた技術書3冊、ビジネス書3冊、合計6冊の著者さんや編集者さんに、該当書籍のおすすめポイントや、その書籍に込めた思いなどを語っていただきました。こちらでは、ビジネス書部門のプレゼン風景をお届けします!
★技術書部門プレゼンのレポートは こちら
経営戦略全史
さっそうと壇上に登り、プレゼンをスタートしたのは『経営戦略全史』の著者三谷さん。本書は、今回のプレゼンの中でもっともページ数が多い(424ページ)書籍ですが、それもそのはず、90のコンセプトと132の戦略、そして72冊の本が紹介されているから。
三谷さんはITエンジニアが本書を読む価値として、次の3つを挙げました。①経営戦略論の用語と連関が載っていること。②経営戦略論には突っ込みどころがあること、③イノベーションの本当の意味がわかること。
また、執筆以外に力を注いでいることとして、上は40歳以上から下は幼稚園まで、学びについてのさまざまな活動を紹介されていました。普段から大勢の方にお話しされる機会が多いからか、非常に落ち着き、堂々としたプレゼンでした。
小さなチーム、大きな仕事 完全版
二番手は『小さなチーム、大きな仕事 完全版』編集を担当された山口さんが登場。早川書房は、SFなどの「浮世離れ(笑)」した書籍を多く手掛けているそうですが、今回ノミネートされた本は「たまたま出してしまったビジネス書」。
この書籍は起業やスタートアップの教科書と言われることも多いけれども、実際は「これからの新しい仕事のあり方」が書かれているアイデア集だそうです。山口さん自身も、この本の中で語られている働き方にかなり影響されており、本書からTipsを紹介してくださいました。
もっとも会場を沸かせたのは「ちゃんと寝よう」。観客から笑いがどっと上がりましたが、時間あたりの生産性をアップさせるには、十分な睡眠が大切なのだとか。淡々とした口調ながら説得力のある言葉で観客を引き込んでいく、山口さんのプレゼンはとても印象に残りました。
リーン・スタートアップ
ビジネス書部門プレゼンのラストは、『リーン・スタートアップ』の編集担当高畠さん。本書はカバーのイラストがとても印象的なのですが、このイラストは原書と同じものを使っています。これは、原書のイラストレーターさんが、「東日本大震災の復興支援のためにも、使ってください」と、提供してくださったという裏話が飛び出しました。
本書の出版の9年前に、「リーン」関係のIT開発系書籍を出しており、この書籍が本書の出発点であったと振り返ります。
その後しばらくして、Facebookがいかにスケールアウトしているかを知り、シリコンバレーをウォッチしている会社として、何も知らなかった自分に気が付き、リサーチを繰り返すことで「スタートアップ」「リーン・スタートアップ」「Yコンビネーター」の3つの言葉を知り、それぞれについての書籍を出されたそうです。編集者の企画の生み出しかたとして、参考になる内容でした。
★この後に会場のみなさんによる投票で決定した大賞の紹介は こちら