ブックレビューサイトの老舗「ブクログ」と電子書籍の作成と販売ができるサービス「パブー」のディレクターとして、営業やマーケティングを含むサービス全体のとりまとめをしている大西 隆幸さんに最近、面白かった本や仕事で役立った本など、おすすめの本をいくつか教えていただきました。
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EPUB 3 スタンダード・デザインガイド
大西さんご推薦の一冊目は電子書籍の実務に使っている本。パブーでも採用しているEPUBというフォーマットを解説する本『EPUB 3 スタンダード・デザインガイド』。
パブーではEPUB形式の電子書籍ファイルを採用しているので、勉強するために買いました。よくまとまっているので、EPUBを勉強するのに決定版の本です。この本で、仕様を確認したり、EPUBを修正したりするときに、参考にしています。
マニフェスト 本の未来
2冊目は翻訳もの。かっこいい装丁の本ですね。本が電子化され、ネットワークに接続され、ユビキタスな存在になると何が起こるのか、それに関係するツール開発に実際携わっている著者陣が本の未来について語っている本『マニフェスト 本の未来』。
これは、デジタルとインターネットによって、本がどうなっていくかを論じた本です。今というよりも、もう少し先の話を視野に入れ書かれている感じの本です。本に関わるWEBサイトやサービスに携わっている人は、絶対に読んだ方がいいと思います。マストリードってやつです。
「編集手帳」の文章術
続いては、読売新聞のコラム「編集手帳」6代目執筆者の竹内さんが書いた文章術の本。ウェブのコンテンツやメールマガジンなど、文章を書くことが多い大西さんですが、文章を書くのがあまり得意ではなかったそうです。
もともと理系で、国語が苦手でした。そのため文章を書くことに苦手意識があり、文章術系の本をいくつか読んで勉強していました。その中で、『「編集手帳」の文章術』は、短い文章を書くためにどういう考え方で書けばいいか、実際に世に出ているコラムを引き合いに出し、解説してくれてわかりやすくておすすめです。
傷だらけの店長 街の本屋24時
最後のおすすめは、本屋さんが主人公の本『傷だらけの店長 街の本屋24時』。ブクログのランキングで上位に入っていたのが気になって、ご自身でも読んでみたそうです。
この本が結構泣けるんですよね。実録本なんですけど、どこの街にでもありそうな昔からやっている普通の本屋の店長さんが主人公です。本屋の経営は大変で、万引き犯を追って逃げられたりとか、朝から終電間際まで働いているけど給料が安いとかいう話がでてきて、街の本屋の実情がわかります。たぶん本屋さんで働いている人はすごく共感できると思います。
電子書籍の技術的な本から、本屋さんの実情がわかる本など、本に関係するWEBサービスのディレクターを担当している大西さんならではの本が多かったですね。今回ご紹介いただいた本は、ブクログの大西さんの本棚にもあるそうです。いろいろと楽しいお話しをありがとうございました!