全自動のクラウド型会計ソフト「freee(フリー)」の開発・サービス提供をしているfreeeの創業メンバーのお一人で、現在はエンジニアとして、技術基盤チームを担当している横路 隆さん。今回は、そんな横路さんに、最近読んで面白かった本や好きな本など、技術書を中心におすすめの本をいくつか教えていただきました。
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Team Geek
横路おすすめの1冊目は、Subversionをはじめ、たくさんのフリーソフトウェア開発に関わり、その後Googleでプログラマを経てリーダーを務めるようになった2人が著者の『Team Geek Googleのギークたちはいかにしてチームを作るのか』。
この本は、ソフトウェア開発者がチームで働くための心得や文化だけではなく、実践方法についても書かれています。多様な背景を持つプロダクト指向のエンジニアチームがひとつのミッションを目指してソフトウェアを書くことは、なかなかうまくいかないことも多く難しいですが、とても素晴らしい体験だと思います。読むだけではなくて、ぜひ実践したい本です。
テストから見えてくるグーグルのソフトウェア開発
横路おすすめの2冊目は、最近読んで面白かったという『テストから見えてくるグーグルのソフトウェア開発』。
この本は、Googleがいかに高品質なソフトウェアを素早くリリースし続けているかという話について書かれています。QAチームではなく、各開発者がオーナーとして品質に対して責任を負うという原則や、実践方法、未来の展望など、とても示唆に富んだ内容で、おすすめです。
小さなチーム、大きな仕事〔完全版〕
続いてのおすすめは、好きな本の1冊という『小さなチーム、大きな仕事〔完全版〕 37シグナルズ成功の法則』です。
あと、結構エンジニア文化みたいなのが好きで読むのですが、『小さなチーム、大きな仕事』っていう37シグナルズさんの本はおすすめです。これは、Ruby on Railsの作者も所属している37signalsのメンバーによって書かれたビジネス書です。ビジネス書というと興味がなくなってしまうエンジニアもいるかもしれませんが、エンジニアにこそおすすめです。特に、小さなチームでたくさんの顧客に価値を届けるというコンセプト、「仕切り屋は不要」、「会議は有害」といった本書が提案する働き方や考え方は、高い生産性でよいプロダクトを作りたいソフトウェア開発チームにこそマッチするものだと思います。
UNIXという考え方
最後のおすすめは、こちらも好きな本の一冊という『UNIXという考え方 その設計思想と哲学』。
この本は新しくはないですが、今にも通じるものが書かれています。背景が様々に異なるソフトウェアエンジニアが現在でも共感できるソフトウェア開発の価値観を知ることができるんです。例えば、「小さなプログラムを組み合わせて大きなシステムを作る」、「できるだけ早く試作を作る」、「ソフトウェアの梯子を活用する」、「動かないデータは死んだも同然」、「紙はデータの死亡証明書」といった考え方は、freeeの提供するクラウド会計ソフトの理念にも通じていると思います。
エンジニアならではの本が多かったですね。ご紹介いただいた本以外にもたくさん本を読まれている印象でした。本の話題以外にも、Freeeさんの開発体制の話など、いろいろとお話しいただきありがとうございました!